【資料概要】
現在、新たな技術として注目を集めている「人体通信」。同技術は、2010年までは法人市場などニッチ市場で徐々に浸透していき、2013年には人体通信対応モバイル機器が約180万台に達すると予測されます。
本レポートでは、人体通信に関する現状把握、及び、同技術が特に携帯電話機等のポータブルデバイスに搭載された場合を想定した時に、どういう市場シナリオが考えられるかをビジネスモデルの観点から分析を行いました。
【エグセクティブサマリー】
「人体通信」という言葉が登場していから、10年以上の月日が流れています。この間、触れるだけで通信を行うという技術はSF映画のような印象ばかりが独り歩きしてきましたが、日本の大手企業による地道な技術開発が奏功し、いよいよ我が国から商用化に向けて大きな一歩を踏みしめるところまで漕ぎ着けることができました。そのインターフェースの直観性や斬新性は必ずユーザーを魅了すると考えられていますが、一方で非接触ICチップなど、他の代替技術もいち早く普及して市民権を得てしまっており、インターフェースの魅力だけで先行する競合技術に有利となるかどうかは不透明な部分もあります。
今後、人体通信は発展するのでしょうか。魅力あるユーザーインターフェースは既存の普及技術を覆すほど広範に展開できるのか、あるいはニッチ市場にとどまってしまうのでしょうか。ROA
Groupでは、人体通信が特に携帯電話機等のポータブルデバイスに搭載された場合を想定した時に、どういう市場シナリオが考えられるかをビジネスモデルの観点から分析してみました。その結果、人体通信はまず法人市場などニッチ分野で徐々に浸透していくものの、BtoC市場においては普及媒体となる多数の人が利用するインフラの協力がなければ成功は難しいとの視点に立ち、以下のような普及モデルを構築してみました。
[図]人体通信対応モバイル機器の市場予測(2008〜2013年)

Source: ROA Group
<Assumption>
-人体通信対応端末は2010年まで、法人向け携行(携帯)モデルに限定して実装
-主要顧客は一般企業、医療機関や学校、地方自治の施設等のBtoB市場に限定
-2011年から、一般向けインフラの整備と共に一部民間向けモデルにも採用
-本格的な一般市場への普及は決済市場を中心に2013年以降と推測
-2013年には法人市場の15〜20%、一般市場の0.5〜1%程度を占めると予想
人体通信が現在の非接触ICカードに取って代わるほどの絵は描ききれず、むしろニッチ市場を中心に段階を踏んで展開していくシナリオになると考えられます。最終的に目指す本丸はBtoC市場であるが、その場合のビジネスモデルが代替技術と類似しているために今後のさらなるアイデアが求められるでしょう。既存の無線技術に比べてセキュリティに強いと指摘されているが、触れるだけで通信してしまう特性を管理するためには、認証技術で工夫も必要となってくるでしょう。本レポートが人体通信の現場把握および今後のアイデア創出の一助になれば幸いです。
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