レポートガイドライン
韓国サムスン電子は、半導体や液晶・プラズマテレビ、携帯電話などを扱う総合電機メーカーであり、日本の電機メーカーにとって格好の競争・比較の対象と言えます。2007年同社は、過去最高の売上高を達成したものの、「サムスングループの不正資金疑惑事件」以後グループの中心に立っていたイ・コンヒ会長が経営の一線を去ることとなりました。その後グループ全体の組織再編が進み、2008年5月からイ・ユンウ副会長がサムスン電子の新たなCEOとして再スタートを切っています。
LG電子は、「ナム・ヨン式改革」を進めていった結果、2007年の売上が50兆ウォンを突破しました。同社の売上高は、サムスン電子の半分程度であるが、50兆ウォンを突破したのは創業以来初で過去最高実績を記録したことになります。また、世界金融危機という厳しい経済状況の中、LG電子は2008年12
月に更なる組織再編を行い、グローバルマーケティング会社としての躍進が今後期待される中で、LGのブランドイメージを強化する「ナム・ヨン式改革」は、引き続き進められていくこととなります。
2007年の日本の電機メーカー各社の売上高については、景気回復と企業努力により前年比−0.4%に転じたパナソニック、及び、−0.8%の
NECを除き、軒並み売上高が増加しました。一方、営業利益についても、前年比−7.8%まで落ち込んだ東芝、及び、−1.5%のシャープを除き、ほぼ各社堅調な伸びを示しました。
こうした日本メーカー各社に比べ、サムスン電子は、メモリ部門の価格下落と生活家電事業の営業利益の赤字により、営業利益は前年と比べ小幅減少しました。一方で、売上高は前年比15.3%と他社と比較して最も高い数値を記録しました。LG電子の場合も、売上高は前年比15.2%まで上昇し堅調な実績を示しています。また同社の営業利益は、2006年の営業利益がほぼゼロとなった後、デジタル・ディスプレイ部門の赤字幅の減少や携帯電話事業の伸びにより、急激に上昇しました。
[図]日韓の主要総合電機メーカーの前年比売上高・営業利益の成長率比較(2007年) ![[図]日韓の主要総合電機メーカーの前年比売上高・営業利益の成長率比較(2007年)](http://shop.ns-research.jp/img4/09125summary1.gif)
※上記はすべて連結データです。
※会計年度基準は、日本企業は2008年3月末、サムスン電子とLG電子は2007年12月末。
Source: 各社IR資料、ROA Group
昨年ROA Groupが発刊した「2007年版 サムスン電子とLG電子の競争力分析」におけるサムスン電子のポジショニングでは、営業利益率が10%以上で、依然として独走している形でありました。しかし、本シリーズ「2008年版」の評価では、ソニー、三菱電機、LG電子などの躍進で、以前のサムスン電子の独走体制が崩れ、サムスン電子、LG電子、そして、三菱電機が首位グループを形成しています。その中でも、LG電子とソニーの飛躍的な成長がみられます。両社は
2007年版において営業利益率、及び、ROE共に低かったが、営業利益の上昇に伴いROEも高まった結果となっています。
サブプライム問題が引き金となった世界経済の悪化や景気後退の懸念が広がり、厳しい実体経済環境の中で、日本企業だけではなく、サムスン電子とLG
電子の収益悪化も予想されます。今後各電機メーカーには、安定的な実績を維持しながら、企業のパフォーマンスを高めるために、魅力的で安価な新製品の開発など、消費者を囲い込む戦略が求められます。
|